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BEST OF THE DECADE

この10年間でのベストアルバムは?
僕も選ぼうとしましたが、途中で挫折。
10年間なんていう、かなり規模が大きいくくりの中で選ぶのは、結構大変。
けっきょく面倒くさがった中、以下の条件で。

・自分でも感心するくらい、飽きずに毎日聴いていた
・やたらむしょうに聴きたくなるときが何度も訪れた
・かばんの中に入っている期間が長かった

まあ簡単にいえば「お気に入りだった」ということで選んだのは・・・

Best_of_the_decade_2


・of Montreal/Hissing Fauna, Are You the Destroyer?
確か2007年、彼らと一緒にツアーした帰国後から、飽きずに毎日聴いてました。
オブモンの全作品の中で、いちばんよく聴いた。

・徳永憲/裸のステラ
もう、中毒症状が出ました。”癖”になった。

・Judee Sill/Live in London- The BBC Recordings 1972-1973
2007年に発売された、ライブ盤。
女性SSWにハマったのは彼女が初めてだった、ということで選別。


そして、映画「ハイ・フィデリティ」を観て以来、自分の中で「トップ5を作る」ことに
意識的になった気が。
「BEST OF THE DECADE」のついでに、10年間を振り返る意味もこめて。


★「この10年で好きなアーティスト トップ5」

・of Montreal
・Circulatory System (元The Olivia Tremor Control)
・Marshmallow Coast
・The Apples in Stereo
・Jonathan Richman

ジョナサン以外は、全て「知り合う」ことが出来ました。ある意味とても幸せなことです。
僕の根幹を揺さぶったアーティスト。
おそらく今後も不滅でしょう。


★「この10年で影響を受けた/好きなギタリスト トップ5 」

・ダグ・マシュー/Built To Spill
・グレッグ・ブラウン/元Cake
・アンディ・ゴンザレス/元オブモン、現マシュマロコースト
・アイザック・ブロック/モデストマウス
・ジョナサン・リッチマン

ジョージ・ハリスンもキース・リチャーズも入れたいところですが。
僕のヒーロー、オブモンのBP(Bryan Poole)も入れたいところですが。
元NRBQのアル・アンダーソンも入れたいところ。
多感な時期に「真似したい」と試みたトップ5です。
ジョナサンが入ったのは、やはり「Egyptian Reggae」が決め手。


★「この10年間で観た好きな映画トップ5」

・ハイ・フィデリティ
・ビフォア・サインライズ
・ビフォア・サンセット
・トニー滝谷
・ギター弾きの恋

「ギター弾き~」以外は、全て知人duzzさんからのオススメで観た映画。
僕のツボ的中率80%を超えるオススメ度は、すごい。


★「この10年での共演バンド トップ5」
・Casper & The Cookies



共演回数、音楽性、人間的に、などなど。
トータルでいちばんです。
その他は選べず。


★「好きな邦楽アーティスト トップ5」
・モールス
・徳永憲
・ハイロウズ

邦楽となると、やっぱり歌詞の内容か。
繰り返し聴くのは、曲はもちろんだけど歌詞の世界観が好きなアーティスト。
「あるある」的な恋愛を歌った歌詞にはあまり共感できない僕は、
その人独特な視点、着眼点や、言葉選びなどに耳が傾きます。
モールスはまさにそう。「モールス歌詞集」も購入。

徳永憲もインパクト大で、独特な視点で、印象的な歌詞がたくさんありますが、
「恋人との距離感」的な世界が絶妙。

ブルーハーツにピンと来なかった不幸な僕ですが、ハイロウズはよく聴いてました。
「僕も君と同じ、ロックファンの1人です」と思わせる内容が最高でした。
その他は来年以降に持ち越し。


「自分の葬式BGMトップ5」とか、「月曜の午前中に聴きたい曲トップ5」とか、
「クリエーションレーベルのシングルB面トップ5」など、もっとハイ・フィデリティ的に
したかったけど、まあこんな感じで。
Elekibassの活動を通じて出会った音楽や人、プライベートで出会った友人など、
かけがえのない、実り多い10年でした。
皆さん来年もよろしく。よいお年を。

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Rye Rye Rye

僕の家の向かいにあった家が何らかの理由で突然取り壊されて
その土地はすっかり寂しい空き地になってしまい、僕は帰宅途中に
買い食いしたライ麦パンの残りをその土地に投げ捨てたのが原因か、
数ヶ月後その土地は立派なライ麦畑になった。

ライ麦畑はどんどん広くなっていき、ついには家の玄関のドアを
開けてすぐの所にまで及び、僕の家の辺りいっぺんは見渡す限り
ライ麦畑が広がった草原のようになった。

おかげでウチから駅まで行くのがちょっと面倒になったが、これも
これでまあいいかなんて思いつつ、今日もライ麦をかき分けながら
駅へと向かう。

こないだ、いつものようにライ麦をかき分けて駅に向かっていると、
突然大きなコンクリートの壁にぶつかった。
見上げてみると、まるで城壁のような、高さは2メートルくらい
あるだろうか、それはお屋敷を囲む塀だった。
塀をつたって歩いていくと、玄関と思われるドアを見つけた。
重厚感のある、とてもずっしりとしたドア。
表札には、「J・D・サリンジャー」と書いてある。

もしや、ライ麦畑で有名なあのサリンジャーか?
世間から身をひそめるため、または隠居生活のためにこの
ライ麦畑に屋敷を建てたのだろうか。

これで一応、サリンジャー氏とはご近所さんとなったため、挨拶を
交わしておきたいと思った僕はドアをノックしてみるが反応は無く、
呼び鈴を鳴らしても誰も出てくる気配は無い。
この日は諦めて駅に向かった。

数日後、僕の実家から送られてきたリンゴをおすそ分けにと
サリンジャー氏の屋敷に出向いたが、反応は無かった。
別の日には、馴染みの食料品店で買ったシャンパンとチーズを持って
出向いたが、やはり反応は無かった。
僕は2メートルの塀を見上げしばらくそこに立っていたが、何も起きな
そうな予感を認め、諦めて家に帰った。

12月になるとライ麦畑にはうっすら雪が積もり、辺りの家々は
クリスマスのイルミネーションで寒空の中賑やかさを増したが、
サリンジャー氏の屋敷はコンクリート一色でなんとも殺風景で、
とても寂しそうな感じに見えた。

クリスマス・イブの夜。
雪がしんしんと静かに降る中、僕はこれで最後と思ってサリンジャー氏の
屋敷に出向き、2メートルの塀の向こうをめがけてプレゼントを投げ入れた。
どうせ反応が無いのは分かっていたので、そしてその夜はとても冷えたので、
僕は足早に家に帰った。

翌日の朝、玄関のドアノブに赤い靴下がぶら下がっていた。
その靴下からは、もくもくと湯気が出ていた。
その日もとても冷え込んでいたので、その湯気はまるで靴下を包む
ベールのように見えた。

靴下の中には焼きたてのライ麦パンと1冊の小説と、クリスマスカードが
1枚入っていた。サリンジャー氏からだった。湯気はライ麦パンから。


「プレゼントどうもありがとう。とても美味しくいただきました。
 00年代ベストソング集も楽しく聴かせてもらっています。
 名曲がたくさん生まれたこの10年でしたね。選曲に苦労されたことと
 思います。
 (たしかに、ジュディ・シルの作品は未発表音源と共に再発されましたが、
  再発盤を00年代ベストに入れるのはアリなんでしょうか?私は好きですが)
 
 私は今、ライ麦畑に囲まれた塀の内側で静かに暮らしています。
 その理由を聞かれると答えに窮してしまいますが、おそらく学生時代に
 学校を退学になって家出をし、ニューヨークを放浪した経験も理由の
 一つなのかもしれません。
 
 私は毎朝早く起きてパンを焼き、午後は小説を書いたり音楽を聴いたり、
 夜は風で揺れるライ麦のそよめきを聴きながらディナーを食べ、食後は
 ゆっくりテレビを見るか本を読んで過ごしています。
 こんな静かな生活も、悪くありません。 
 外に出かけるのは、妻が洋服を買いに行く時のお供ぐらいです。
 (妻は洋服が大好きなので、週一回は一緒に出かけています)

 何度も私の家を訪ねていただいたにも関わらず、一度も招待しませんだ
 ことをお詫びいたします。
 いつかは軽くお茶でも、と思っていましたが、実は年内に引越しを
 考えており、残念ながらあなたとお話をする機会は今後もてそうに
 ありません。
 せめてもの思い出にと、このように一筆したためた次第です。
 
 長くなってきたので、そろそろこの辺で。  
 同梱したその小説のように、広いライ麦畑で遊んでいる子どもたちが
 気付かずに崖っぷちから落ちそうになったときに捕まえてあげるような、
 そんな人間になれるよう願いをこめて。
 

 それではお元気で。
 どうぞ素敵なクリスマスを。
 
 ライ麦畑を彷徨う男より。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

僕はコーヒーを飲みながら、このクリスマスカードを何度も読み返した。
塀の内側にいた彼は本物のサリンジャー氏かどうかは謎で、
結局一体どんな人なのか分からずじまいだったが、このカードが彼との
最初で最後のやりとりだった。
 
彼が引越した後、その土地にやってきた新たな家族がライ麦畑を
全て刈ってしまい 代わりに青々ときれいに整えられた芝生になった。
僕はその芝生の前を通る度に、唾と食べかけのライ麦パンを投げ捨てている。
メリー・クリスマス。

 

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12月

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愛用しているNIKKI McCLUREのカレンダーも、今年最後の1ページ。

・大河ドラマ「天地人」は、後半は江戸幕府が安定期に入る時代背景からか、
 これといった事件もなく、最終回は静かに終わる。今は「坂の上の雲」をチェック中。

・友人から紹介されたお店に、スーツをオーダーしに行く。
 採寸時、自分では分からない体の歪み、傾きが判明。
 僕はS字姿勢で左肩が下がっている。綺麗に着るために矯正を約束。
 仕上がりがすごく楽しみ。

・知人のベーシストのライブ@大塚DEEPA。想像力溢れるベースラインがとても面白い。
 そして、しっかりバンドサウンドの核になっている。
 ベースラインが特徴的なベーシストには、なかなか出会わない。

・友人の監督が、日仏学院で映画公開決定。1/23、1/24の二日間。
 タイトル「のぼせもん」。
  
・ボーリング、野球、サッカー、バドミントン、バレーボールなどの球技を、約4時間で
 どばーっと楽しむ。 こんな機会は今後もう無いだろう。

・ソフテロ@渋谷HMVに顔を出す。お客さんも沢山集まってて、時折店員も巻き込み
 盛り上がる。
 スキマ/シンタさんはHMVのポロシャツ姿でナイスサポート。
 帰りに、前から行きたかった蕎麦屋さんに行ってみたが、店内が妙に洒落ていて、
 BGMはなぜかジャズ。友人と行くには適さない。

・モールス@新代田FEVER。+/-(プラスマイナス)の来日ツアー。
 今回は3ピースの+/-は、打ち込みサウンドをバンドと同期させるスタイル。
 電子音やストリングス、ギターなどなど。
 ドラマーがイヤホンでモニタリングしているが、気にするそぶりは一切見せず。
 ガンガンドラムを叩く姿がかっこいい。
 サビでは、同期サウンドを打ち消すほどの音量で全員楽器をかき鳴らす。
 同期が鳴っているのを忘れてるんじゃないか?ってくらい爆音だが、全くずれない。
 静と動が、とてもかっこいい。
 モールスの新譜は来年2月に発売。今から楽しみ。

・本日14日は、OVER THE DOGSのメジャーデビュー記念イベントに
 およばれしました。@新宿LOFT。

・29日は、ELEKIBASS年内最後のライブです。@HOTEL CLASKA。
 

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ステキナイト

ご来場ありがとうございました。
カフェロンと共演するのはやっぱり楽しいし、何より刺激的で面白い。

って何か月並みな言葉だけど、心からそんな風に言える素敵な人達です。
今回も、それを感じた夜になりました。

皆さんが素敵な夜を過ごせたと祈りつつ、何らかの糸で繋がったと信じながら、
次回も開催できるよう願うついでに、代表でシュンスケさんを月に。
それでは、おやすみなさい。
Suteki_fin_3


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