オカネモンスタースペシャルツアー京都編
12/8の深夜、高速バスで新宿を出発。
僕にとっては初めてのバス移動。長時間の座りっぱなし移動なんて、飛行機で慣れてるからへっちゃら!
って思ってたら、結構キツイ。ケツと腰が痛い。バスをナメてた。
ほとんど眠れず、12/9の早朝6時に京都駅に到着。
辺りはまだ真っ暗。しかも雨が降っていて寒い。
さて、これからどうしよう?何して時間潰そうか。
とりあえず喫茶店にでも入って本でも読もうかな?
と今日の予定を考える。こんな朝っぱらの京都に放っぽり出されても困る。
とりあえず駅に行く。あてもなく駅構内をさまよってると、
「あぁっ!」
という声が聞こえた。
ん?オレに声をかけてんのかな?と思い、ふと見ると僕の前にはよく知った男が。
その男は、田所せいじ。
ワイキキレコードのフォークシンガーアーティスト。高円寺でよく酔いどれている男。
高円寺のレコード屋「円盤」で毎月ワンマン弾き語りライブをやっている。
過去に僕も2.3回見に行ったが、狭い店内であのゆる~い弾き語りを聞くのは心地良い。
聞いてる僕らも、ほろ酔い気分になる。
そう、その田所せいじと僕らは今日いっしょにライブ。彼も高速バスで京都に着いたばかり、との事。

なんて偶然の鉢合わせ。東京でも会うことはほとんど無いのに。
時間の潰し方に困っていた僕らは、とりあえず暖を取るために、近くの喫茶店に入る。
コーヒーを飲みながらお互いの近況などを話す。
そのうち話題は好きな音楽に移っていき、彼の以外な趣味を発見。
ヒップホップも聞く彼。アンチコン(※っていう特異なアメリカの音楽シーン)関連にも詳しい。
おすすめ音楽サイトも教えてもらう。ちょっと前まで携帯も持っていなかったのに・笑
気付いたら外は明るくなっていた。2時間程時間つぶしに成功。
ライブ会場入りまでまだ相当時間があったので、僕らは「東福寺」に向かうことにする。

タクシーのおっさんの反対を押し切り、東福寺まで歩いていった僕ら。
傘をさし30分ほど歩く。
彼のスニーカーはびしょ濡れ、僕のブーツにも雨が染み込んできた。

紅葉で有名な東福寺。見頃は過ぎていたが、渡り廊下から見たその風景は絶景。
地面も、見上げた先の木々も、周りは全て赤、黄、ピンク、オレンジの鮮やかなグラデーション。
なんでこんな色が出るんだろ?人間には作り出せない色彩感覚。
東福寺を後にし、駅へと向かう道すがらに京都の地酒を売る店が。
ぶどう酒、日本酒、焼酎を試飲させてくれた。
僕は酒の味はよく分からないが、彼は吟味していた。
気持ちいい朝酒を頂き、電車に揺られ三条に向かう。

リンゴをほおばる田所せいじ

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雨はいまだ止まず、鴨川は霧がかかったよう。相変わらず、いい川だ。
次に向かったのは、彼が行きたがっていた錦市場。いわば「干物漬物通り」。
通りにズラ~っと漬物、干物、京野菜、魚屋が立ち並ぶ。

京都の人参。かじってみたい。

漬物の試食コーナー。どれも美味しい。

ちりめん山椒のお店に入り、各ちりめんを試食。旨い。
いろんな味があるんだね。農林水産大臣賞のちりめんは、ほのかな山椒が効いてる上品な味。
ちょっと「おすまし」した感じだった。
他にもちりめんじゃこの店があったが、このお店がいちばん美味しかった。

覗き見る田所せいじ
つまみ食いを終え、すっかり口の中が塩辛くなった。
ちょうど正午。僕はスパゲッティ、彼はビールで昼食をとり、次は「真如堂」に向かう。
場所は京都の北東。雨はいまだ中途半端に降り続く。
銀閣寺方面のバスに乗る。バスの中、僕は途中寝てしまう。
真如堂も紅葉がいい感じ。しっとり降る雨が雰囲気をさらに演出する。
身長よりちょっと上に木々があるせいで、紅葉トンネルをくぐっているよう。
雨に打たれた落ち葉がヒラヒラと舞い散る。
真如堂の見所と言われている枯山水「涅槃の庭」。

お釈迦様が横になっている姿を置石で表現しているそうだ。周りの石は、それを嘆き見守る弟子達、との事。
彼は以前「京都枯山水ツアー」をしたことがあるくらい、枯山水に詳しい。その世界観を教えてもらう。

真如堂の本堂渡り廊下。靴下までびしょ濡れだったので、てんてん、と足跡が。
すっかり歩き疲れた僕ら。ギターと重たいバックを抱えての移動はそろそろ限界。
雨はしとしと降り続き、手足の指は完全に冷えた。
これからライブだっていうのに。
真如堂を堪能し、いよいよ今日のライブ会場「ガケ書房」に向かう。
入り口には本日のポスターが。

この「ガケ書房」、名前の通り本屋さん。
店長が取り揃えた本が並ぶ。小説、絵本、写真集、学術書や雑誌、漫画まで、
いろんな読み物が並ぶ。雑貨やCDもある。センスがいい品揃え。
アコースティックライブが出来るスペースもあり、今回は「ワイキキワルツ」の発売インストアイベント。
僕らの到着後しばらくして、今日の共演者ゆーきゃん、エレキサカモトも到着。
お客さんが立ち読みしている中、このイベントを見に来てくれた人もいる中、早速イベントスタート。
今回は僕らエレキベースは、2人で演奏。オカネモンスタースペシャルとして。
本屋の中を歩き回ったりするのは、何だか面白かった。
本棚の間を演奏するなんて、思いもよらない。もちろん、立ち読みしている人にとっても。
立ち読みBGMなかんじで演奏。
続いてゆーきゃん。アコースティックギター1本のみで歌う。
彼はイベント終了後、本棚の隅に座り再び歌い始めてた。
そのゆーきゃんの周りにお客さんが座り込んで聞き入っている。本屋の片隅の、不思議な風景。
最後は田所せいじ。
アコースティックギターでゆったり歌う。
立ち読みしている人達も、思わず聞き入ってしまっているようだ。
本屋の中に自然と流れている彼の歌声。
そのフォーキーな歌声は、本屋の雰囲気にピッタリはまっている。
演奏時間の枠に収まらない田所せいじ、この日は一時間近く演奏。
イベントが終了。ワイキキ関連のCDは、予想以上に売れていた。
田所せいじのCDは、なんと完売。
田所せいじオンステージ@ガケ書房
打ち上げは、王将の本店。
本店が京都にあるとは知らなかった。
たっぷり食べ、ゆっくり飲み、長かった1日の終わりにほっと一息。
フォークシンガーのゆーきゃんと田所せいじ、彼ら2人ともイメージとは違う音楽を聞いている。
とてもアンダーグラウンドな所。彼らの会話に出てくるミュージシャンは、僕はほとんど分からない。
2人とも、なんてフォークシンガーだ・笑
お互い影響を受けた詩人は?という会話でも2人はピッタリ。
こんな2人の会話を聞いているのはとても面白かった。
いや~今日はよく歩いた。疲れた。そんでいいイベントだった。みんなお疲れさん。
田所せいじは、高速バスで先に東京に帰宅。おつかれせいちゃん。
思わぬ偶然のおかげで、いい1日を過ごせたよ。
彼とこんなにゆっくり話したのは初めてだった。出会ったのは随分前だったが。
会うときは大体酔ってるし。
彼の音楽も、今日過ごした1日のペースも、とても気持ちよかった。
その後僕らはゆーきゃんの家に泊めてもらう。
最近出来たゆーきゃんのライブ映像を見る。打ち上げに途中参加した映像作家小宮山さん作。
しかしほんと、ゆーきゃんって独特だな。こんな世界観を出せる人は、そういないだろう。
僕ら全員、その映像に見入ってしまう。
小宮山さんの差し入れビールを飲み、就寝熟睡。
京都ツアーが終わった。
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